当施設では、午前中に体操や歌などのレクリエーション活動を通じて、皆様に元気に過ごしていただいております。午後は、疾患やご高齢の影響もあり、2時間ほど昼寝をされる方が多くいらっしゃいますが、中には起きて過ごされる方もおられます。
以前は、数字盤や計算ドリル、漢字ドリルなどを楽しまれる方もいらっしゃいましたが、現在ではご利用者様の平均年齢も高くなり、午後の活動に参加される人数も少しずつ減ってきました。そのため、午後はテレビを見たり、洗濯物を畳むなどの自由な時間を過ごしていただくことが多くなっています。
そんな中、「ちょっとした空き時間にも楽しめるものを」と、ある職員が手作りのボードを、いくつか作成されていました。これらのボードには、簡単な漢字の読みを当てるものや、見知った土地の名称が書かれており、同じ名称の札をその上に置いていくという、シンプルながらも心をくすぐる内容です。
実際に取り組まれたご利用者様からは、
「これは知っとる!」
「これは私が住んどったとこたい」
といった懐かしさを感じる声が聞かれ、皆様とても集中して楽しんでおられました。



※写真3の方は職員さんです^^
知っていること、見覚えのある名称に触れることで、自然と笑顔がこぼれ、心が動く瞬間が生まれます。難しいことを無理に思い出そうとするのではなく、「できること」「覚えていること」に寄り添うことで、安心感とやりがいを感じていただけるよう工夫してあるのだと感じました。
この取り組みは、以前行っていた学習療法にも通じるものがありますが、今回はより「楽しさ」に重きを置いた内容となっており、皆様が前向きに取り組まれている様子が印象的でした。 これからも、皆様の心に寄り添うレクリエーションを職員一同で考え、提供してまいります。
学習療法の効果と実績
学習療法は、認知症の予防・改善に高い効果があることが実証されています。具体的には、脳の前頭前野を活性化させることで、認知機能の維持・改善を図ることが目的です。学習療法は、簡単な計算問題や文章の音読など教材を利用して、認知症高齢者とスタッフがコミュニケーションを取りながら行う非薬物療法です。
白十字会
学習療法の効果には、認知機能の改善だけでなく、精神面や社会面への効果も期待できます。学習療法に参加することで、人と話す機会や社会と関わる機会が増え、孤立感を解消することに繋がる場合もあります。また、新しいことを学ぶこと自体が、喜びや達成感につながり、自信を持つことにも繋がります。
KUMON | 学習療法センター